さくら歯科診療方針
当院では、皆様の顎を含めた口腔の健康を長期に亘って維持する為には、『力のコントロール』と『バクテリアのコントロール』の2点が最も重要であると考え、常に念頭に置いて診療しております。
歯に審美性を求めることはもちろん間違いではございません。しかしながら歯は決して美術品ではありません。上下の歯を接触させ、食物を咀嚼するという顎口腔系の中で重要な役割を果たしているのです。
食物を粉砕したり、歯軋りしたり、運動時にくいしばったり、果たして1日のうち何回上下の歯がぶつかり合うのでしょうか?もし上下の歯が正しい位置になかったら、例えば一方が傾斜した状態、あるいは両方共など。想像してみて下さい。その場合、その歯にどのような力がかかるか、そしてどのような結末がおとずれるのでしょうか?
またしっかり噛んだ時、顎の位置は安定した位置にありますか?顎も最も安定した位置で噛みたいのです。顎をずらさないとしっかり噛めないようでは、どのような結末がおとずれるのでしょうか?
歯や歯を支える骨(歯槽骨)、顎を動かす筋肉と靭帯、左右顎関節の3つはそれぞれ調和することで健全な咀嚼サイクルを営むことが可能なのです。故にこの三位一体の調和を乱す異常な『力』がかかることが咬合の崩壊を引き起こす最大の原因と考えております。当院では、適正な『力のコントロール』の為に以下を診療の基本事項と考えて、皆様の治療計画の立案をしております。
スタディモデルによる咬合平面診断
H.I.P.平面を基準とした咬合平面診断
咬合平面を考慮せず作製された左下ブリッジの結末
1.術前:義歯装着空隙無し
2.MIAによる圧下開始
3.圧下終了
4.義歯装着
長期に亘って欠損を放置していた為、上顎臼歯部の挺出が認められます。この状態のままでは、ブリッジ、義歯、インプラントによる補綴も困難です。
矯正専門医:田中勝治先生(右)との共同診療により治療を行いました。
噛み合わせが下がってしまうと、顎関節に過剰な負担となり、咀嚼もしにくくなりますので適切な治療が必要です。
歯の2大疾患である「虫歯」、「歯周病」はいづれも口腔内のバクテリアが関与しておこる疾患です。口腔内から全てのバクテリアの駆除が可能なら問題は解決されるでしょうが、それは不可能です。口腔内には400~500種のバクテリアが存在しているようです。「虫歯」、「歯周病」の原因となる悪玉バクテリアの正体はわかっています。
『バクテリアのコントロール』とは、この悪玉バクテリアが極端に増えすぎないようにすること、つまり悪玉バクテリアが住み難い口腔内環境をつくってあげることなのです。
当院では『バクテリアのコントロール』の為に以下を診療の基本事項と考えて、皆様の治療計画の立案をしております。
* バイオフィルムとは
粘性を持ったフィルムで覆われ、その中に複数の種類のバクテリアが共存共生し、それが固体の表面に付着したものの総称。例えば台所のシンクの汚れた三角コーナーのヌルヌルなど。
歯科医院のあり方
また、単に病気になってしまった箇所だけの治療では、再発するリスクは高いと言えます。例えば、歯並びが悪く食べカスが残りやすいことが原因で虫歯になってしまった場合や、咬み合わせのズレにより歯や歯茎に必要以上の力がかかり歯周病を引き起こしてしまった場合は、歯並びや咬み合わせ等の根本的な問題解決を行わなければ、また同じことの繰り返しになってしまいます。
そのため、当院では患者さんと一緒に「なぜ病気になってしまったのか」という問題に真剣に向き合い再発防止のための矯正治療や咬み合わせ治療、歯の健康を保つための予防歯科に特に力を入れております。そして一人でも多くの方が歯科医院への意識を「歯の病気を予防するために通う」という意識へ変えていけるよう日々努力してまいります。
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